*グリンカ 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲 (2015年9月13日 第35回定期演奏会プログラムより)

 歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲は、ロシアの作曲家ミハイル・グリンカ(1804-1857)によって、1842年に完成されたオペラの序曲です。序曲は単独で演奏される機会が多く、かつてN響アワーのオープニングテーマに使用されていたこともあり、なじみやすく知名度の高い一曲です。
 グリンカは富裕な貴族の生まれで、幼少時代から音楽に興味を持ち、ピアノやヴァイオリンなどのほか、作曲を熱心に学びました。当時音楽といえば西欧のものが主流で、ロシアの民族音楽には無関心であるのが一般的でした。しかしグリンカは、イタリアやドイツなどで勉強する機会を得て、芸術的に進んだ文化を知っていく中で、次第にロシア人としての自覚が生まれます。そしてロシアらしい作品を書きたいという思いが強くなって、民族的な題材を用いたオペラの作曲にとりかかりました。のちにロシアでは国外でも広い名声を得た最初の作曲家となり、ロシア五人組にも大きな影響を与えたといわれています。
  本日演奏いたします序曲においては、不協和音や半音階、全音音階を活用しつつも、ロシアの民族的音楽を取り込んでいることがグリンカの意図を感じさせます。
   さて、オペラのあらすじを簡単にご紹介します。キエフ大公国のスヴェトザール大公の館では大公の娘リュドミラ姫と騎士ルスランとの婚礼の宴たけなわでした。そのとき突然、魔術師チェルノモールが現われ、リュドミラはさらわれてしまいます。大公は、大切な娘を取り戻すため、ルスラン、そして参列していた騎士ファルラーフ、王子ラトミールらの若者に、無事に救出した者に娘を与えると宣言します。そしてリュドミラを救出するためのルスランの旅が始まります。さまざまな魔術や誘惑、他の若者の妨害などを切りぬけ、最終的には勇敢なルスランがリュドミラを助け出し、二人は結ばれます。  空想的な物語のオープニングにふさわしく、華々しい躍動感にあふれた楽曲をお楽しみください。

(ヴァイオリン 松井 才佳)

楽器編成 フルート 2、オーボエ 2、クラリネット 2、ファゴット 2、コントラファゴット1、ホルン 4、トランペット 2、トロンボーン 3、ティンパニ 1、弦楽5部。

 

 


 

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ブロカートフィルハーモニー管弦楽団 http://www.brokat.jp/