*ブラームス 大学祝典序曲 ハ短調 作品80(2014年9月21日 第33回定期演奏会プログラムより)

 大学祝典序曲は、ドイツの作曲家ヨハネス・ブラームス(1833–1897)が48歳を迎えた1881年に初演された演奏会用序曲です。「ドイツ・レクイエム」や「交響曲第1番」で成功を収め、ヨーロッパ各地で名声を高めていたブラームスに対して、ケンブリッジ大学は1876年に、名誉博士号を授与するために彼を招きたいと申し出ます。ところがブラームスは、船旅に気乗りしないとか、英語が苦手などの理由から、この招待を断ってしまいました。1879年には、今度はポーランドのヴロツワフ大学(当時はブレスラウ大学)から名誉博士号を授与されたブラームス。当初は感謝状のみで謝意を表していましたが、彼を推薦した指揮者のベルンハルト・ショルツから説得され、返礼の意味を込めて「大学祝典序曲」を作曲し、同大学に献呈しました。

「大学祝典序曲」には以下の4曲の学生歌が引用され、メドレー的な序曲となっています。「僕らは立派な学び舎を建てた」「祖国の父」「そこの丘から何が来た」「いざ楽しまん」。ブラームスの作品としては大掛かりな楽器編成で、打楽器類も多用され、トルコ軍楽の雰囲気も感じ取られます。

 ファゴットが奏でる親しみやすいフレーズの学生歌「僕らは立派な学び舎を建てた」は、日本では大学受験ラジオ講座のオープニングテーマ曲として知られ、テレビ番組のBGMとしても使われることがあります。当団の自慢ファゴットチームが、肩で風切って歩いてくれることでしょう! 序曲の最後の部分で現れる4分の3拍子の学生歌「いざ楽しまん」は、ヨーロッパ諸国で古くから歌われている伝統的な歌曲です。指揮の吉川先生は、高校時代にこの部分だけ抜粋して入学式等で演奏したことがあるそうですが(当時は大学祝典序曲の最後の部分だとはご存じなかったとのこと)、祝祭ムードの中、曲は壮大に締めくくられます。演奏会の幕開けに相応しい、爽やかな楽曲をどうぞお楽しみください。

(オーボエ 吉岡 克英)

楽器編成 フルート 2、ピッコロ 1、オーボエ 2、クラリネット 2、ファゴット 2、コントラファゴット 1、ホルン 4、トランペット 3、トロンボーン 3、テューバ 1、
ティンパニ 1、シンバル、トライアングル、バスドラム、弦楽5部。

 

 


 

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ブロカートフィルハーモニー管弦楽団 http://www.brokat.jp/