*ベートーヴェン バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲(2008年3月9日 第22回定期演奏会プログラムより)

 ベートーヴェン(1770−1827)といえば「運命」や「第九」などの交響曲がよく知られていますが、生涯に2つのバレエ音楽を残しています。そのうちの1つが「プロメテウスの創造物」です。

 この曲は、1800〜1801年にかけて作曲されました。1800年頃までのベートーヴェンは、室内楽曲を数多く手がけていましたが、この頃を境に交響曲を手がけるようになり、まさにベートーヴェンの転機に作られた作品といえます。

 題材となっている「プロメテウス」とは、ギリシャ神話に出てくる神の名前です。ギリシャ神話によると、プロメテウスが人間に火を与えたとされていますが、その行いは大神「ゼウス」の怒りに触れてしまいます。ゼウスにより山の頂上に磔にされたプロメテウスは、毎日ハゲタカに内臓をついばまれるという拷問を受けたのでした。

 ベートーヴェンのバレエ音楽の物語は、ギリシャ神話とはかなり異なります。そのストーリーは、炎によって木像に命を吹き込み、音楽によって魂を宿し、人間を創造していくというものです。

 このバレエ音楽は、序曲、序奏、舞曲16曲という構成になっており、全曲を演奏すると70分近い大曲です。中でも終曲は、のちに作曲された交響曲第3番「英雄」の第4楽章の主題として使われています。

(打楽器 長井 悠香)

編成:Fl.2, Ob.2, Cl.2, Fg.2, Hr.2, Tp.2, Timp.1, Strings

 

 


 

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